しらすとは…
シラスは、漁獲統計上ほとんどがカタクチイワシのシラス期のものであるが、時にはマイワシやウルメイワシのシラスも混獲される。
カタクチイワシの受精卵は水温16〜18℃で3日で孵化する。
孵化直後の仔魚は全長2.6mm、孵化後3〜4日で全長3.6mmに成長、水温18℃で10mmになるまでの日数は41日、15mmまでは54日、20mmまでは68日、25mm
までは76日を要する。
カタクチイワシは雌親が1回に平均して1万数千粒の卵を生むもののシラスの全長が11mmに達するまでに99.9%が死亡してしまう。
(カタクチイワシの生態と資源/近藤恵一 著より)
シラスの種類
(日本稚魚図鑑/沖山宗雄編より)
栄養成分
成分項目 | 単位 |
しらす干し 微乾燥品 |
しらす干し 半乾燥品 |
たたみ イワシ |
エネルギー | g/100g | 113 | 206 | 372 |
水分 | g/100g | 69.9 | 46 | 10.7 |
たんぱく質 | g/100g | 23.1 | 40.5 | 75.1 |
脂質 | g/100g | 1.6 | 3.5 | 5.6 |
炭水化物 | g/100g | 0.2 | 0.5 | 0.7 |
カルシウム | mg/100g | 210 | 520 | 970 |
マグネシウム | mg/100g | 80 | 130 | 190 |
ナトリウム | mg/100g | 1600 | 2600 | 850 |
(文部科学省 食品成分データベースより)
日本全国のしらす漁の流れ
- しらすは1月頃~11月頃迄、太平洋沿岸、瀬戸内海を中心に水揚げされます。
シラスは真いわし、ウルメいわし、カタクチいわしの稚魚ですが漁獲の多くはカタクチいわしの稚魚です。 - 1月、2月頃はまだ気温も、水温も低く四国南部(高知県など)で真いわし、ウルメいわしの稚魚のしらすの水揚げが有りその他の府県では目立った水揚げはありません。
- 2月後半、3月頃になると九州南部(鹿児島、宮崎県など)から本格的なカタクチいわしの稚魚のしらす漁がスタートします。その後3月中旬頃から西日本(高知、愛媛、徳島、和歌山など)、4月中旬から後半にかけて中部(愛知、静岡、神奈川)、6月中旬頃から東日本(千葉、茨城など)と順にしらすの水揚げが本格的になってきます。瀬戸内海につきましては5月後半から6月上旬頃から始まります。
- しらす漁は春の訪れとともに徐々に北上していくイメージです。
- その年の各産地の好漁、不漁につきましてはそのシーズンの気候、黒潮(暖水)の流れによって大きく左右されるといわれています。
- 沖合漁業(マグロ、カツオ、サンマ)のように中、大型船で魚のいるところまで追いかける漁業とは少し違い、漁船も小型で、1隻あたりの漁獲規模も小さく黒潮(暖水)に乗って沿岸まで接近してきた「しらす」を太平洋沿岸の各みなとで探して捕獲するという小規模、広範囲の漁業です。(静岡県だけでも2艘引き=約150船団、1艘引き=約60艘程あります。)
(静岡県農林水産部より)